痛みは「冷やす」と「温める」どっち?

痛みは「冷やす」と「温める」どっち?

急に体に痛みが出た場合、温めるのと冷やすのとどちらがいいのか。 結論から言うと、冷やす方がいいです。

体の痛みやコリが浅層にある場合は、温熱療法,、寒冷療法ともに適応しますが、体の痛みやコリが深層にある場合、 深部への治療効果が高い寒冷療法が適応となります。 これは三輪書店さんから出版された理学療法MOOK物理療法という医学書に記載されていることです。
※一部分かりやすい単語に変換しています。

実際に当院の患者さんでも、プロボクサーの方や実業団バスケで日本1になった選手などは、練習をした日は必ずアイシングを行い、体に炎症や疲労が溜まらないようにケアをしています。

また、ギックリ腰など、温めることにより症状が悪化するケースもあるため、痛みがある場合はまずは冷やすことをお勧めします。 アイシングが何故有効かというと、代謝低下による発痛物質の産生抑制、痛覚線維の興奮性抑制があるからです。
アイシングは薬局などで売っている、アイス枕などを使う方法が簡単です。
衣服やタオルの上から患部に当て、15分から20分ほど冷やして下さい。

スポーツショップなどでは、腰や膝など、部位に合わせた物も販売されています。
ビニール袋や氷嚢に氷を入れてアイシングする方法もありますが、家庭用冷蔵庫で製氷した氷は、製氷機の氷に比べ温度が低いため、氷を一度水に浸し表面を融かしてから使用した方がよいです。

仕事など、外出中はアイシングが出来ないこともあり、湿布を貼る場合は、温湿布と冷湿布はどちらがいいですか? と聞かれることもありますが、基本は冷湿布がよいです。
お仕事がなく、休日で1日体をリラックスさせてあげられる時は温湿布でもよいのですが、仕事や、運動、試験などで体を集中して動かさないといけないような時は冷湿布がよいです。

特に、転んだり、ぶつけたりして、体に外傷がある場合48~72時間は、出血傾向が高く、血流を増加させ浮腫をまねく温熱療法は禁忌とされています。

温熱療法には、ホットパック、赤外線療法があります。
お風呂に入ること、温泉に入ることは通常何も問題がありませんので、念のため。
家庭で出来る温熱療法は、ホットパックやホッカイロなどで患部を温めることだと思います。
外傷や手術後、急性期の激しい痛みがなければ、温熱療法も体にとってプラスの作用が働きます。
温熱療法がダメというわけではありません。

ただ、タイミングとして寒冷療法、アイシングをした方がよいタイミングがあるため、痛みがある場合、 まずは、分からなければ冷やすことをお勧めします。